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記録の原点は保育日誌であり、記述式ではなくチェック式で、考え込まずに実態を刻々と書き込んでいく様式としました。そしてすべての保育が終わってから、保育士や看護婦や栄養士がその記録から自分の分野に必要な部分を取り込んでいき、次の段階への手がかりにできるようになっています。

 

(2) 保育者が自分の保育を確認するための保育計画と発違の評価

乳児期は人間の一生のうちで最も心身の発達の著しい時期であり、回りの大人の養護なしではその生命を維持できない期間でもあります。このことを十分に認識しながら、心身の健康管理と安全管理を保育の基本とし、発達段階をしっかりと踏まえ、発達の個性を見極めながら健やかで和やかな人格形成を遂げるため、「保育士が一人ひとりを愛情豊かに受容し心身ともに快適に成長、発達できるよう保育環境に日々、細心の配慮を持って当たること」を乳児保育の基本目標とし、保育計画の作成にあたっては、集団としてとらえるのではなく、一人ひとりの個性や生活のリズム、心身の発達段階を十分に理解した上で個別に作成することが望ましいと思います。そして、自分が作成した保育計画に基づいて実際に保育を行った結果、赤ちゃんは各発達領域において順調な発達の経過をたどっているかどうかを確認する必要が生じてきます。開設当初は「津守、稲毛式の発達検査」を使って、個々の子どもの発達の個性を把握するためと保育の成果を確認するための手だてとしておりました。現在は「デンバー式発達検査」を使っております。この発達検査の特徴は評価項目がパーセンタイル値で示されており、幅のある評価ができるところにあります。こうした発達検査を定期的に個別に行うことの目的は、先に述べた「保育の成果の確認と次への手がかり」もありますが、保育士の資質向上のためもあります。

 

 

 

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