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そして片言が出始めてから言葉によるコミュニケーションが取れるようになるまでは、あっという間のような気がします。可愛い声で「てんて(先生)」って呼ばれた時の幸せは、保育士ならではないかと思います。こうした感動的な発達の数多くの瞬間に立ち会える事が保育士として大きな喜びであり、保育士になって良かったなと思える瞬間です。

 

3. 乳児期の保育の実際

養護と健康管理の大事な時期であり、快適な生活リズムを作り上げながら、各月齢の発達の特徴を正確に踏まえて個々の発達に照らし合わせつつ、調和の取れた保育を展開しなければなりません。乳児保育の最終目標は、離乳の完成、歩行の開始、言葉の獲得です。そのためには、人的、物的保育環境を整えることがとても大切な事と思います。

 

(1) 保育者を守るための記録

乳児の保育は幼児期の保育と違ってたくさんの危険をはらんでおります。少しの不注意で取り返しのつかない事態に発展することも考えられます。保育者は常に、何時、誰が誰に何をしたかを記録にとどめて置くこと、それが万一の事態に保育者を守る最大の武器になると思います。乳児保育に武器は必要ありませんが、日常、誠心誠意保育している保育士を守る義務は施設長にあると思いますので、保育と記録の時間的なバランスを考えながら、短時間で的確な記録が残せるシステムの構築が大切かと思います。試行錯誤を繰り返しながらも、現在の私どもの法人の保育記録の形に落ち着いてから大分長い時が経っています。

 

 

 

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