日本財団 図書館


乳児は病気に対して抵抗力が弱いため、親にとっては、「とても心強い」と感謝されたことも、保護者の方々の厚い信頼を受けた理由の一つであったと思います。

乳児保育園は、本来2歳児までが入園対象年齢ですが、開園当初より、一部兄弟のいる3歳児の親からの強い要望があり、市と協議の上10名程度在籍し現在に至っております。

当時6か月からの入園しか認められなかったことに対し、もっと早い入園を…という声が出だしたのが、平成5年、第二子の誕生をむかえたお母さん方からでした。1年間の育児休業の取れない方、取らない方も含め生後間もない乳児を抱え、年老いた親に見てもらったり(親がまだ勤めている場合も多い)、無認可保育園に預け、2箇所の保育園通いをしたり、時には止むなく仕事やめてしまったりと、育児と仕事の両立に大変苦労している状況が訴えられました。なんとか親のニーズに応えたいという思いから、保護者と充分話し合いを重ね、双方の信頼と合意のもと生後57日児の受け入れを自主的に実施しました。当法人はこのころすでに0歳児に対する保育士の配置が3:1であったこと、保育士以外の専門職(看護婦・栄養士)の方々がいてくれたことが、産休明け保育に踏み込ませてくれた大きな要因であったと思います。「決して事故を起こさない」を職員間の合い言葉として、緊張の中でのスタートでした。看護婦のいない場合も想定し、個人的に日本赤十字社主催の救急法の講習会を受講しました。

乳児保育を実施するにあたり、何よりも個々の「生活リズムの保障」ということなくして、語ることはできないと思っています。そのため、一室での生活を避けることは、一番大切な環境への配慮ととらえています。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION