この内容は、母親にも伝え、働きかけの方向を保育所と家庭とで確認し合うようにしました。
その後、A君は養護学校に入学しました。母親からの便りには「しっかり身辺自立をさせたい」と、A君の障害を受け入れ力強く歩んでいる姿が浮かんでいました。
生後3〜4か月という時期は、脳性麻痺や精神発達遅滞の診断が不確実な時でもありますので、子どもの発育発達に注意深い観察が必要です。
6. これからの乳児保育に大切なもの
日々の保育を通し、これからの乳児保育には、親子関係を育てる視点をもった育児支援が大切であると感じています。育児に弾みがつくような支援、喜びが見いだせるような支援が求められています。
たとえば、抱っこしても何かしっくりしなくて、ぐずりの多かった子が、なでたりさすったり、やさしいことばかけで、少しずつ抱っこに心地よさを覚えて、まなざしのやりとりができ、あやしによく反応するようになってくると、母親の表情も和らぎ子どもと上手にやりとりすることができるようになってきます。
このような保育の積み重ねは、保護者の子育ての意識を高め、よりよい親子関係づくりにつながるものと考えます。ひいては、子どものすこやかな育ちの保障となるでしょう。