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保育所での生活は、それまでの家庭での生活と違い、多くの子どもや大人と接する機会が増えます。おのずと、感染する機会も増えることになります。感染症の流行を大きくしないためにも、先に述べた健康観察を充実させ、感染症に早期に対応したいものです。

また、保育者は自分が感染源になりうることを知り、保育開始前にうがい、手洗いをしてから保育にあたります。自分自身の健康管理をこころがけましょう。

予防接種は、接種月齢や年齢に達したなら、受けるように勧めましょう。

 

5. 乳児保育で経験した保健的対応の大切さ

○百日咳の流行

数年前の秋、百日咳の流行を経験しました。0歳児10名中5名とその母親1名が、次々と罹ったのです。なかには、治癒後も一冬は、かぜをひくたびにあの特有の咳が続いた子もいました。

幸いなことに、最も月齢の低い子どもは生後9か月でした。これが、生後2〜3か月のまだ小さな乳児だったらと思うとゾッとしました。

以来、予防接種は接種時期をのがさずに受けるように積極的に勧めています。

 

○発達に遅れのある子を保健所との連携で養育機関につなげた例

―両親の障害の受け入れを見守って―

A君は生後6か月で入所しました。首のすわりはあるものの、腹這いにすると頭が持ちあがらず、手足は伸ばしきったままでした。

 

 

 

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