日本財団 図書館


b. 一人あそびを尊重する

保育所では、乳児でも一斉に集団的あそびをすることが教育的であると考えがちですが、乳児期は十分に一人あそびを満足することで、思考力、創造力、集中力など、人間としての望ましい資質の基礎が培われていきます。個人差の大きい乳児の興味や関心に応える玩具や、一人で集中して遊べる魅力的な空間を用意することです。

 

c. 探索活動を満喫する

乳児期は、人間としての諸機能の発達がめざましく、未知の世界への関心が旺盛になり、探索活動が活発になって目が離せなくなってきます。安全な環境のなかで、冒険心が満足できる自由が与えられ、日々、感動的な発見の経験が知的発達を促進します。

ややもすると生活面の世話に明け暮れ、単調になりやすい保育所生活の中で、乳児の自己活動である遊びが楽しくなる環境の構成に留意することが望まれてきます。

 

4. 家庭との連携を大切にする

一日24時間の生活の中で個人差の大きい乳児の発達を保障するのには、家庭と保育所との協力・連携が必須です。保育者は、乳児も保護者も受容するという温かい姿勢が相互の信頼関係の樹立を助け、乳児の情緒安定が促進されます。また、保育所へ乳児を託す保護者の不安感や、育児不安を抱き悩みながら仕事を続けることへの思いやりや温かい励ましの言葉かけなども、子育て支援として求められてきます。

家庭との連携は、ただ保育所からの一方的な伝達事項で終始するのが目的でなく、“子どもを共に育てる”ためのパートナーシップとしての役割を担い、育てる喜びを共感し、保護者も保育者も子どもと共に育つことが大切であり必要なのです。

21世紀を迎えて両者が手を携え支え合いながら、かけがえのない乳児一人ひとりを大切に、心温かい人間として育つように励んで参りましょう。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION