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b. 保育者と乳児との応答的関係を大切にする

家庭的雰囲気は、物的環境にも増してその場を構成する人的環境に大きく左右されます。特に、保育者は乳児にとって最もダイナミックな影響を与える存在であり、保育者の語りかけ、笑顔、立ち居ふるまい、服装などが全人格的な影響を与えます。

保育所保育指針の各所に「微笑みかけたり」「歌いかけたり」「優しく語りかけたり、発声や喃語に応答したり」など、まだ言葉を話さない乳児への人格的な1対1の優しい語りかけの大切さが記されています。乳児と保育者との1対1の応答的な関わりは、乳児に安心感や満足感そしてやすらぎを与えます。保育者の優しい笑顔と声は、乳児の心と体の発達にとって不可欠の栄養素であり、安らぎの源なのです。保育室を安らぎの場にするのもしないのも保育者の乳児への対応の如何にかかっています。

 

3. 「あそびの場」を工夫する

a. 保育者が遊び相手になる

乳児の遊びは、保育者が乳児の泣き声や喃語に優しく応答したり、抱き上げてあやしたり、見つめたりすることから始まります。乳児にとって人間の顔や声は、何にもまして特別製の玩具であり、保育者の手は第二の有力な玩具であるといわれ、また乳児の遊び相手になれる保育者は、最も高価な玩具をしのぐ存在であるといわれます。

乳児の発達からして、まず大人との関わりを喜ぶ時期であり、保育者とのやりとりを楽しみながら、発達が促され満足感を与えられ、保育者との情緒的な絆が一層強められ、その上で保育者を仲立ちとして友達への関心が広がっていきます。

 

 

 

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