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恐らく鼻水やくしゃみが出たとしても、結果的に何でもなくもとの状態になったというときには、機嫌がよかったと思います。便が軟らかい、食欲がなかったといっても全体の様子に変わりなければ、それは正常の範囲内での環境とのかかわりの中で起こった症状ということです。

恐らく同じような症状があっても、それからあと病気の症状が現れたというようなときには、くしゃみや咳が出た程度のときでも、機嫌が悪かったと思います。いろいろな症状が保育士さんの気を引いて乳児に注目させますが、もしその症状が心配のない原因によって起こったときには、機嫌がよいということです。反対に症状が軽度であっても、乳児の機嫌が悪いときには、そこに何か原因があるということです。

このように考えると、「機嫌」は病気や異常を判断するのに役立つ症状ということになります。その機嫌は乳児が健康なときの状態であって、あやせば笑う、抱っこすれば喜ぶというように保育士と乳児との関係がどうかということで判断できます。

 

B 軽重の判断

何か普通ではないと考えたときには、あとはそれが重いか軽いかということです。それには熱が高い、咳がひどい、下痢が激しいというように夫々の症状の判断もありますが、もっとはっきりするのが機嫌の程度です。機嫌がよくないと言っても、様々な程度がありますが、病気が重くなるほど周囲との関係において、普段と違った様子が益々強くなります。普段見せたこともないような激しい症状や泣き方、食べ物やおもちゃなどの拒否、ときには無関心というようなことで判断できます。むしろ症状の程度より機嫌の程度のほうが、軽重の判断をするのに役立ちます。

 

 

 

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