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B 保育の知識

産休明けの頃の乳児と、1歳何ヵ月になっている子とでは保育の要点はかなり違ってきますが、子どもは発育していくという基本を考えれば、そこにはやはり年齢差を越えた保育に欠かせない項目があります。

イ) 栄養−乳児保育の期間に子どもは何倍も体重が増加します。と同時に運動が激しいのですから、生物としての栄養が必要です。しかもそれは乳汁から離乳食、幼児食へと段階を経ていくのですから、乳児保育の基本は食にあると言っても過言ではありません。

ロ) 感染症−細菌・ウイルスなどとの初めての遭遇です。生後半年ぐらいまでは親からの免疫物質を引き継いでいるとはいっても、新しい環境での感染には十分に注意しなければなりません。生後半年頃からは自力で感染と戦いながら免疫を作っていきます。一方では生活環境が広がって、感染の機会も多くなるので、子どもは感染を繰り返しながら健康を獲得していきます。

この頃からの予防接種は積極的に受けるように保護者に説明します。

ハ) 睡眠−生後半年頃になると、昼と夜の睡眠のリズムがかなりはっきりしてきます。そして夜の眠りが長くなり、昼は2回くらいの昼寝という形です。保育園では昼寝の時間がありますが、本来睡眠は夜が主体であるということで、一日の生活リズムを考えます。従って眠りというより、昼の休息という考え方を保育に取り込んでいくのがよいと思います。眠りたくない子どもは横になって体を休めればよいのです。近頃は夜更かしの傾向があり、これが昼の生活に様々な影響を及ぼします。

 

 

 

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