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お産をすませた母親も体力が回復し、普段の生活に復帰できる頃なので、労働基準法による産休明けからの保育が可能になります。

およそ2ヵ月からの乳児を保育することは、家庭という環境から全てを異にする集団保育のなかに移ることですから、この環境の変化は乳児にとって大きな侵襲です。家庭内に存在する微生物と、保育所内の微生物とでは内容が異なるし、子どもにとって全く新しい世界に入ると考えなければなりません。そのうえ入園時の子どもの月齢が6ヵ月や10ヵ月と高くなると、家庭という環境に適応するように育ってきたし、母と子が結びついているのですから、子どもにとっては、全く新しい生活とのふれあいだということを理解して、保育を心がけなければなりません。即ち家庭保育と、保育所保育の連携(後出)が必要です。

また0歳児、1歳児は、心とからだの全ての基礎が発達していくときなので、その保育にかかわる保育所の責任は大きいということを自覚して、自ら研鑽し、親の期待に応える保育を目指していかなければなりません。

 

2 乳児保育の要点

A 健康なときを観察する

乳児は自分から言葉で表現できません。従って保育するものは乳児の様子をみて手をかけるわけです。それは健康なときばかりでなく、病気や異常が起こったときも同じです。更に乳児の特徴とするところは、個人差が大きいということです。それはからだのあらゆるものが発達の過程にあるからです。

例えば乳の飲み方ひとつを例にとってみても、うまく乳首をくわえる乳児もいれば、よくたしかめてからくわえるという乳児もいます。

 

 

 

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