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図5-4-3-3 STS運行スケジュールの例

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当初の契約で約束したキャパシティを提供できない場合は、1回の予約受入れ不可につき、500Skrのペナルティが課される。

STSの契約におけるサービスの購入方法は、4時間、6時間、8時間の単位でサービスを買い取るものである。運行1回ごとの契約ではなく、拘束した時間において、乗車のスケジュールを組む方式である(図5-4-3-3)。

車いすの種類、介助者の有無等の情報も入力できる。ミニバス型の車両に限り、ストックホルム市内のオフィスで一括して予約、配車を行うが、タクシーは20地区のオフィスに分かれて対応している。

 

d. 評価

STSの評価と将来的な計画をたてるために、様々な角度で調査行う必要があることが認識されている。

2名の専任職員をおいてデータの収集にあたる。方法は、利用直後に利用者に電話して尋ねるのが一般的である。また、アンケートによる利用者調査、車両検査安全官によるチェック(清掃から固定装置まで)、契約項目における重要事項のチェック(時間通りに配車しているかなど)を実施している。

チェックが厳しいので不正は少ないが、不正があった場合(多くは利用者からのクレームによる)には、問題となった車両の動きを一日中コンピューター上でトレースすることもある。また、定期会合があり、委託事業者から提出されるレポートを見て協議することになっている。

タクシードライバーへの教育は特別なプログラムを行うことにし、事業者ごとに対応している。また、STS委員会主催の3日間の講習に参加する。なお、通常のタクシーライセンスの中にも接遇に関するプログラムが含まれている。

階段があり、昇降ができない利用者の家にはタクシー車両ではなくスペシャル車両が配車される。階段の昇降装置については図5-4-3-4に示したもので、スカラモービルと呼ばれ、欧州だけでなくわが国でも一部使用されている。STSドライバーは階段昇降機による介助は行うが、それ以外の介助はする必要はない。乗車前後の準備は在宅介護で担当している部分の仕事であるためだ。

 

 

 

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