また、前にも述べましたが高齢のお客さまの中には連続した歩行が難しく、100m〜300m歩いたら休む必要がある人もいるといわれています。逆に言えば、ちょっとした休憩場所があれば外出しやすくなる人もいるということなのです。
介助の提供を申し出ても、高齢のお客さまは遠慮しがちなことが多く、断られるときもあります。しかし、安全確保の点から判断して、介助が必要と感じた時は躊躇せず、側に付き添うなど積極的な対応が重要です。
高齢の方の外出は、特に一人暮らしの方にとって社会と交わるよい機会です。乗務員、駅員も社会との接点の一部です。お客さまが不安な思いをしないように、気軽に声をかけるなど、心配りをして気持ちよく公共交通機関を利用してもらいましょう。尊厳をもって丁寧に対応すること、お客さまのニーズ、身体的な状況を十分に把握するという基本は、障害のあるお客さまに接する時と同じです。
※巻末資料に障害の特性と公共交通機関利用における配慮事項等一覧があります。