日本財団 図書館


(d) 実験1の本試行を以下の手順で進めた。

1] 実験指揮係(実験者の役割分担と名称は2.5(8)(b)1]参照)の案内で被験者は各試番のスタート地点に移動し、その場所で両足をそろえて立ち、実験指揮係の合図を待った。

2] 実験指揮係の「よーい、スタート」の合図で、被験者はホーム縁端を知らせるブロックに向かって歩き始め、ブロックに直交進入した。

3] 被験者がブロックを踏んだり、白杖で見つけたり、ブロックがなくなったりしてホームの端に来たと思ったところで直ちに停止してもらった。ホーム縁端を知らせるブロックがないコースを歩く場合には、被験者停止係に停止させられるまで歩き続けてもらった。

4] 停止したら足の位置を変えずにそのままの位置で待機してもらった。この間に停止に要した距離を測定し、測定終了後、被験者に対して停止した理由を聴取した。このとき、被験者には「どちらの足で何に気づいたか」というレベルで回答してもらった。停止できなかった試行と停止不要条件の試行では、被験者が被験者停止係に停止させられた後に停止しなかった理由を聴取した。

5] 回答後、実験指揮係の案内で次の試番のスタート地点に移動した。

以上の繰り返しで、途中に休憩をはさんで20回の試行を行った。

歩行条件と順序の例(各実験日の実験順序表は資料編2-6参照)を表3.2に示す。

歩行開始位置が一定であると、ブロック敷設位置の予測が容易になってしまう。そのため、歩行距離は「ブロック敷設幅+白杖の有無+誘導ブロックの有無」の条件1種類につき、長・短の2種類を設定した。歩行距離が長い条件では、ホーム縁端を知らせるブロックのホーム内側の端部から6〜7mの場所から歩き始め、短い条件では、1.2〜2.2mの場所から歩き始めた。3種類以上の距離を設けることも考えたが、被験者に対する負荷が大きくなってしまい妥当なデータが得られないと考えて2種類とした。同様に、被験者への負荷軽減を理由に、ブロック敷設幅が40cm以上の条件では白杖を持たず誘導ブロックを使わない条件のみを実施した。試行順序はランダムに割り付けた。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION