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私は、1つのSession議長を務めた後は、興味のある会場に行って議論に加わり、私見を述べるとともに多くの討論に参加し、本分野における国際的な研究動向を把握することができ嬉しく思っている次第。

私事で恐縮だが、今回の東京への旅は、日本の査証の取得、航空券及び宿泊の手配に関連し、種々のトラブルに会い、幸い会議事務局の宋玉中博士に多大なご協力を得てようやく間に合った。

技術的収穫の他、会議を通じ、日本海事協会の井野幸雄部長、同凌志浩主管、日本運輸省船舶技術研究所の波江貞弘部長、神戸商船大学の橋本武教授、同西川栄一教授などの多くの研究者と出会い喜びを感じている。

最後に、本会議を成功に導いた主催側である日本舶用機関学会の周到な準備及び暖かいもてなしに心より敬意及び謝意を表する。

 

ISME TOKYO 2000に参加して

 

Castrol Marine,UK Robert W.Allen

斉竹智子(訳)

 

私は30年間マリンエンジニアとして動めてまいりましたが、今回のISMEシンポジウムは、取り扱った主題の幅広さと言う点で、専門的見地から非常に刺激的なものでありました。又、同時に、知識を更に深めようとする共通の目的をもった業界の専門家の集う場所となった点で満足のいく会合であったといえます。

特に、現在行われている研究が初歩的段階である場合、その発表会場は比較的、出席率が低かったようですが、努めて、その様なセッションに参加しました。この様なセッションでは、日本企業や研究機関の研究者、大学生などがプレゼンテーションを行いますが、わたしの知る限り、国際フォーラムでISME程、研究者、学生に発表の機会を与えたものはありません。ISMEが比類ないシンポジウムとなり、大成功を収めることができたのは、こういった特色が一つの重要要素としてあげられると思われます。この特色がいつまでも失われないことを願います。

対照的に、3日目のフォーラムでは活発な意見交換が行われ、業界が直面しているいくつかの緊急課題について深く討論することができました。時としてこういったフォーラムは出席者や後援者の営利的な思惑に非常に左右され易く、結果的に実際の問題点については討論されないで終わってしまいます。しかしながら、今回は、講演者、また出席者の多くが業界において影響力を持つ人々であり、現状に対する問題点が唱えられ、変革の必要性が叫ばれました。これについては特に、燃料品質に関するフォーラムで顕著でありました。

最後となりましたが、素晴らしいプログラムを用意して頂いただけでなく、業界の多くの人々に出合う機会となったあらゆる行事、懇親会を開催して下さった事務局の皆さんに対して敬意を表したいと思います。今回のような高い水準のISME TOKYO 2000を改善する余地はないと思いますが、更に質の高いシンポジウムを目指すことは、素晴らしいチャレンジであると思います。

 

 

 

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