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これも車中でのガイドさんによる天ぷらの上手な揚げ方のコツ、油の温度など主婦ならではの細やかな説明にあずかるところと察しられました。

出発時間を少し繰り上げ13:00に浅草を発ち、最後の見学地である江戸東京博物館へ。異文化体験の極めつけといったところでしょうか。事前に下見をした時、館内通訳はボランティアによるものであり見学者の利用状況によっては難しいとのことであったが、この日は幸いにも大変サービスの行き届いた通訳を受けることができ、一行は一人ひとり食いるような眼差しで展示物に見入っていました。江戸の武家政治と庶民の生活様式に焦点をすえた文化・経済の発展をテーマにした江戸期の展示会場にほぼ1時間半をかけることになり、明治以降現代に至るまでの展示会場はかけはしで回ることになりました。

先に見学を終え、たまたま土産品コーナーを見つけたラッキーな人達は残り時間を惜しむようにショッピングを楽しんでいました。多くの方は残念ながらこの時間を持つことができませんでした。

浅草や江戸東京博物館の見学全体を通じて、異文化に触れてまわるだけに時間を取られる結果になり、もしかしてその余韻を何がしかのイメージにつなげてくれる場があるとしたら、その一つはお土産やさんでのショッピングではなかったのではなかろうかと、心残りにも考えさせられました。

半日コースとは云えかなり歩きまわり疲労感もみえ、帰りの交通渋滞もさることながら、この日の夕方に予定されているバンケットに備えて十分な余裕と休養をもたせるため、時間を少し繰り上げ15:15分に都市センター会館向け出発しました。この頃には日差しが車内にも差し込むようになり、翌日のL-2ツアーも満足できるものと期待をこめ帰途につきました。

 

10. レディースプログラム(L-2)

行事委員会委員 小野寺順治*

 

2000年10月26日は前日から心配されていた雨もあがり、レディーならぬジェントルマンも含めて予想を越える参加人数となりました。これには少し訳があったのです。実は、レディースプログラムの参加予想数を少し悲観的に予測していたこともあって、レセプションパーティでの宣伝に加え、前日のバンケットでも多いに宣伝し、ついには男性も大歓迎であると宣言したのです。その甲斐あって、ご夫婦の方も含めて、3名の男性が緊急参加されました。総勢何人になるのか、蓋を開けてみるまで解らないというところが、担当者としての悩みの種でしたが、それでも30名にもなれば、まずは大成功。天気も文句無し。前日からのバスガイドさんの調子も尻上がり。目的地として選んだ古都鎌倉も前評判は上々とくれば、後は全員が無事に戻れることだけを祈るばかりとなりました。

さて、男性も交えた世にも不思議な2日目のレディースプログラムは、前日に引き続き名調子のバスガイドさんとともに、この日の目的地である鎌倉に向けて、定刻に出発しました。途中、さしたる渋滞もなく順調に進んでお台場に差しかかると、最近の若者のファッションや感性などを、バスガイドさんの娘さんを引き合いに出しながら面白おかしく英語で説明してくれました。また、これから向かう鎌倉についても、まるで日本史の授業のような説明をしてくれました。最初の目的地である鶴岡八幡宮についての説明には、静御前の最後の舞も登場しました。目的に着いてからはともかく、途中のバスの中でも退屈させないガイドサービスは、世話役のひとりとしても有り難い限りでした。

予定通りに鶴岡八幡宮に着きました。バスから降りて、まずガイドさんが案内してくれたのは、トイレでした。

「皆さん、トイレはここにあります。でも、日本の便器には座り込まないでください!しゃがむだけですヨ!」

このような説明が必要だと、男性の私たちが思い付く筈もありません。やはり、ガイドさんはプロです。

そして、参道まで進むと、

「45分後に、ここに、間違いなく、ここに再集合してください。いいですね。それまでは自由行動です。それでは、はい解散!」

「OK、この石畳の、この石の、この角ネ。」などという突っ込みが返ってくるほどに、参加者も打ち解けてきました。

 

*正会員 (株)NYK輸送技術研究所

 

 

 

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