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日本での実施例に日本海洋掘削(株)を取り上げてHSEマネージメントが効果的に機能している状況が紹介された(写真2)。

 

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写真2

 

パネリストの発表後、討論はフロアから多くの意見、質問が出されパネリストとのやり取りから以下のような内容になった;

1) 深層水汲みあげによる浅海地域の肥沃化は逆に海域全体の生態系破壊につながり、安易に技術の開発発展が一時的な漁獲アップになっても長期的には未解決の要素があり今後も継続した調査研究が必要。

2) 深層水の利用にOTECを組み入れるのは良案であるが、メガフロートに近いような海洋構造物の需要や投資効果はどれほど期待できるのかの検討が必要。

3) “Mighty Whale”浮体を数km連結した消波、浮体面からの太陽エネルギーそして波浪エネルギー生産は防災、漁業、エネルギーの観点から見て、従来の海洋鉱物資源採取の大型プロジェクトよりも実現性また投資効果がある。

4) 二酸化炭素ハイドレート化によって技術的には深海底に貯蔵可能といえるが、地球規模の深海大循環流の存在が確認されている現在、貯蔵したハイドレートが運搬され海上に戻ってくる可能性がある。貯蔵はしたハイドレートが海上に現れるのは100〜150年ぐらい経過するであろう、その期間に人類の英知によって現在の環境問題を解決する科学技術の進歩が望める。

5) HSEマネージメントは石油生産リグからの油流出、リグが遭遇する海難などの予防や対応に非常に効果的であることが認識された。上記4点は技術的な可能性が論じられたが、実際に装置やプラントの設置、稼動にかかわるオペレータ、リグ自体の安全・危機管理、設置海域の環境維持のための管理システムは必然的にHSEマネージメントシステムの導入が必要となる(写真3)。

 

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写真3

 

 

 

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