Propulsion System(4)
本セッションでは3件の講演が予定されていたが、3番目の講演は、発表者欠席のためキャンセルとされた。
最初の講演は、ヤンマーディーゼルのMr. K. Harada他によるもので、減速歯車装置付き推進軸系において、嵌脱クラッチを電気的に制御することにより、減速比の切換え時あるいは緊急後進操作時に、負荷トルクをスムーズに変化させることにより、エンジンストールの回避はもちろん、本船の加速性の向上を図る装置の開発に関するものである。特に、漁船等の操縦操作が頻繁な船において有効であり、実船でのテスト結果でそれを実証した。
次の講演は、東京商船大学のMr. K. Iwamoto他によるもので、弾性流体潤滑(EHL)状態にある固体間の油膜厚さを光干渉計で計測することにより、使用された潤滑油の特性(圧力粘度係数)を求める手法の研究に関するものである。2種類の潤滑油について、接触点における油膜の最小厚さ及び中心線における厚さが計測され、パスカルの数値解と比較されるとともに、EHL状態における供試潤滑油の特性が示された。
(日本海事協会 岡山透)
Machinely Safety, Reliability & Maintainability
“Machinery”のセッションでは発電機、ボイラー、水滴分離器、に関連して4件の発表が行われた。発生電圧をゆがみの無い形に補正可能なサブシステムを伴う軸発電気システムを提案した。2番目の発表は、流路中に連続したW型の仕切り板を挿入したセパレータと、静電力で水滴を分離するタイプについて、その水滴分離機能を理論と実験から明らかにした。3番目は、過熱蒸気を作る補助ボイラーの加熱システムとして、渦電流に基づく電磁誘導加熱システムを提案した。特に、固体素子を用いた高周波インバータ回路により高効率を達成した。最後は、舶用ボイラー中に堆積する水垢の化学処理、特に燐酸やシリカ等に対する新しい処理法を提案し、その有効性と限界を明らかにした。
“Safety, Reliability and Maintainability”のセッションではディーゼルエンジンの異常診断、状態診断、モニターリング、知識べースに基づく舶用機関の運転支援システムの4件の発表予定のうち、1件がキャンセルされ、3件の発表が行われた。ディーゼルエンジンのクランクシャフトからねじり角の信号を取り出し、トルク変動に換算することで異状診断に適用した。舶用機関の信頼性の評価指標としてMan-hourを用い、各種の船に対する比較検討を行った。最後の講演は、舶用機関の操作支援の対話型システムをベテランのエンジニアの知識べースに基づいて構築した。
両セッションを通じて活発な討論の展開が行われた。
(群馬大学 天田重庚)
Safety, Reliability & Maintainability(3)
TS-128
本論文は本来は、造船学会の分野であり、参加者の反応は今一つであった。1990年頃、IMO-旧MOT(造船研究協会)で1区画浸水関連のdamage stability論議され、規則改正されたテーマである。船主協会ではMOL羽田技術部長がIMOの会議に参加した。
従って、質問も出なかった。吉田氏は防衛庁の研究所で魚雷の発射管などの研究に従事されたとのことであり、二重反転プロペラに関しては相当の知見を持っておられるようである。
TS-129
インドネシア海域で就航している1,000HP級のディーゼル主機関を搭載した貨物船6隻の7機種の機関損傷の3年間データをコンポーネント別に解析している。