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4. Plain Living with High Thinking

標記はかの英国の詩人Wordsworth(1770-1850)の言葉に筆者の願望を織り込んだものである。その意図するところは標語的に「思考は高く生活は質素に」である。

本シンポジウムの期間中に、青木雄二郎学会会長の肝いりで外国の要人と昼食を共にする機会があった。

その際、一要人から「日本人はなぜ長寿命か」との質問があった。そこで筆者は、かつてある先生から学んだ理想的生活すなわち「質素を旨とし、思考は高くあるべし」を挙げ、現在高齢の日本人の中には、これ又はこれに似た教訓を学んだ人が多く、それが長寿命の一因になっているかも知れないと述べた。英語ではうまく表現出来なかったが、標記の語句だけは理解されたように感じた。

今振り返ってみると、筆者の中学・高校の校訓は「質実剛健 勤倹力行」であり、本学会の初代会長・土光敏夫氏(1896-1988)が示された多くの教訓のうちの一つが「個人は質素に社会は豊かに」である。

さて、21世紀に入ってわが国は各分野で独創的思考が求められるが、前記のMar.E.山脈に挑むためにも先達が示された幾多の教訓を噛みしめたいと思っている。標記を含めてご叱正をお願いしたい。

 

5. おわりに

ISME TOKY02000は冒頭にも述べたように、盛況裡に終えることができた。これはひとえに多くの方々からいただいたご指導・ご支援・ご鞭撻の賜である。まずは、多大なご指導とご支援を賜った運輸省と(財)日本財団の関係各位に深甚の謝意を表する。

つぎに、開会式にご出席いただいてお祝辞を賜った各位:運輸省海上技術安全局長・谷野龍一郎氏、(社)日本造船学会会長・間野忠氏、英国I.Mar.E代表・ROSKILLY教授;有益な特別講演ならびに基調講演をしていただいた各位:ROSKILLY教授、平田賢教授、DEXTER氏、CANNON氏;大所高所からご指導をいただいた各位:顧問委員会委員ならびに組織委員会委員の各位:開催準備から実施までの業務を執行していただいた実行委員会の各位:実行委員長・岡實氏、総務委員長・井野幸雄氏、論文委員長・波江貞弘氏、行事委員長・中島賢一郎氏、ISME事務局長・橋本高明氏を始め実行委員会委員各位ならびに(財)日本海事協会の関係各位;学会の立場からご指導・ご鞭撻をいただいた各位:青木雄二郎学会会長を始め役員各位、事務局長ならびに事務局職員各位:そして本会誌の記事をご担当いただいた執筆者各位;に厚く御礼申し上げる。

また、論文発表やパネル討論を通して本学会に活力を与えていただいた講演者ならびに座長各位;製品等の展示を通して今後への期待を豊かにしていただいた団体・企業等の関係各位;会期を通して種々のご助言・ご鞭撻をいただいた多くの会員各位;会場運営等で多大なご協力をいただいた日本コンベンションサービス(株)・平野孝至氏、玉村富久氏ほか関係各位;本シンポジウムの企画から終了まで熱心にお世話いただいた学会顧問・内山高昭氏;に深謝申し上げる。

 

 

 

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