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デイーゼル発電システムは、船で発電を行う際の最も一般的な方法であるが、ガスタービンの採用は電気推進の分野にも広がってきている。ガスタービンによる発電は、特に50/60Hzによる配電から400Hzまたは直流による配電への移行に伴い、軍事及びクルーズ船両方の電気発電において、広く受け入れられて来ているようである。ガスタービンの非常に高い回転数は、高い周波数による配電をより魅力的にしている。

 

4.6 操作性と保守性

環境上保持性は、海運システムを効率的かつ安全に運転し続けることで達成される。簡潔さと保守の容易さに重きを置いてプラントを設計することが、未来においては重要となろう。そこでは離れた場所にいる技術者が現場の技術者と同様に、コンピューターを使った、総合システム「保守管理」装置に、より一層依存するようになり、その装置を用いて潜在的な問題を診断したり、それを正す計画を立てたりする。このコンセプトをFig.7に示す。

現在、主要エンジンメーカーが、状態モニターリング及び故障診断を助ける様々のソフトウェアを開発している。しかし、この種のソフトは、機関室内の少数の機械に特化して作られたものであり、一般的に使用できるようなものではない。ここで指摘しておくべき鍵となる課題の一つは、全体の動力・推進システム全体の保守管理であり、それは非常に多くの要素を統合させることである。ニューロネットワークやファジー理論ようなのような手法を使うことによって、先進的な状態モニターリング、故障、保守スケジューリングシステムが開発され、システム全体の保守管理が行えるようになるかも知れない。

装備の標準化とモジュラー化により運転員は船上で自らの腕前を生かして対処することが容易になるであろうし、陸上おいて行うような部品交換も行うことが出来るようになるだろう。海運における自動化技術が直面している最大の問題の一つは、複数のシステムを安全に連携させることが出来るかと言う点である。製造/加工業界には、データコミュニケーションに関して様々な固有のスタンダードが多数存在し、海運業界においては広く合意された単一の手法と言うものが無い。沢山のスタンダードが登場してきているが、全ての応用に適合したスタンダードと言うものは存在しない。

情報技術の革命が勢いを得るにつれ、通信網(telematics)の応用における研究努力が増大している。これは海運における諸作業に対しても莫大な恩恵をもたらし、海運システムの遠隔運転、モニターリング、保守に大きな可能性を開くことになるかもしれない。しかし、このコンセプトは、使われるコミュニケーション・インフラの性能及び信頼性に、非常に大きく依存している。

 

5. おわりに

LCA研究は環境保持という点から、運送機関の一連の行程を最適化するのに、役立つ情報・データを提供するであろう。多くの研究によって示されているように、他の輸送手段に比べ、貨物及び人の海上輸送は、環境保持の為の「コスト」が低い。このことは、将来の計画にあたって、陸上の水路及び海を、より利用すべきであることを示している。

設計者達は、船の動力源として最も効果的で信頼性が高く、コスト的にも有利な方法を追求し続けて行くだろう。それによって海運における動力・推進技術は着実に発展して行くだろう。本論文に概説された技術は、日々変化する開発段階にある。燃料電池技術は、長期的に見て非常に良い可能性を持つように見えるが、未だ黎明期にあり、とりわけ、水素に基づく燃料へ移行する上で不可欠な、世界的な燃料貯蔵インフラの整備がなされていない。

デイーゼル機関は低質燃料を燃やせるというその利点の為に、依然経済的な優位性を持っているが、環境に関る規制は厳しさを増し、プラントに一層厳しい要求をし続け、それに対しては様々な解決法が試みられている状況である。

 

 

 

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