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システムの役割分担

残存リスク

 

運用フェーズ

ステップ5

・設計に基ずく運用計画と手順

・PDCAサイクルの運営

・拡大防止危機管理

・第三者による確認

 

労働安全衛生法第3条 事業者等の責務として2項に次ぎの如く規定されている。

「機械、機具その他の設備を設計し、製造し、もしくは輸入するものは、これらの物の設計、製造、輸入又は建設に際して、これらのものが使用されることによる労働災害の防止に資するように努めなければならない。」

この規定は訓示規定的に従来取られていたが、労働安全の推進を求める社会情勢に伴い、PLPの観点から、国際的動向を考慮して取り組むべき時代になってきたと言われている。

欧州経済共同体条約においての安全関係のフレームを以下に要約する。EC閣僚理事会は欧州委員会の提案による機械指令(89/392/EEC…機械安全法的側面/[機械安全])により必須安全要求事項に適合することが機械製造者に求めている。そして、労働安全衛生にかかわる欧州枠組み指令(89/391/EEC)においては、事業者に対する個別指令(89/665/EEC…労働者保護法的側面/[使用安全])により1993年以降、労働者に使用させる機器は上記の機械指令に適合することが求めている。各国はこれらの指令・手法を取り入れる事により、製造者と事業者の責任とその許容・受容安全性を示している。基本は合理的なリスクアセスメントとその実行である[001][002]。ただし、英国においては船員と船上作業は除くとしている。

許容と受容性に関する、欧米における実務に於いて使用されている統計的定性的評価データ手法としての資料は多数あるが、わかりやすい文献を参考として次に示す。

・松本俊次:リスクマネージメントで会社を守れ、工業調査会、1999-6

・松本俊次:安全設計のためのリスクアセスメント手法、新技術開発センター

・英国Cabinet Office Regulatory Impact Unit:The Better Regulation Guide and Regulatory Impact Assessment (1998)

尚、ISO12100における機械類の定義(材料のプロセス、その処理、移動、梱包の用途にして組み合わされ、連結された構成機器からなる一つの組立品として定義される機械であって、アクチュエータ、制御・電気回路、その他の働きで運動するもの)はあるが明確ではない。この規格と関連するEN規格で言う機械類の定義は略同じである。これから判断すると工場内にて使用されている固定された工作機械類を対象にしているようである。なぜならEN規格のもとである機械指令では次のものは機械類から適用除外としているからである。

・人力機械、医療機器、ボイラ・圧力容器、他輸送手段一般、船舶とこれらに搭載する機器(レジャーボート・安全装具類を除く)、軍用・警察用機器、その他

 

引用文献

[001] 粂川壮一:機械災害防止のための新しい労働安全の在り方、安全工学、Vol.39、No.6、2000

[002] 尾上史江:欧米の安全衛生の取り組みと日本の動向、357P、安全工学、Vol.39、No.6、2000

 

 

 

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