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(5) 結線作業の注意

(5.1) 一般

電気機器が正常に作動しその機能を発揮するためには、結線の正確さが絶対条件となる。誤結線は機器の正常な作動を妨げるばかりでなく、機器の損傷、火災などの事故の原因となるし、端子部のゆるみや接触不良は加熱、誤作動の原因となる。結線作業においては正確さと、確実さが最も重要である。

(5.2) 結線図

船内に装備される複雑多岐な電気回路を効率よく正確に結線作業を進めるために、設計作成の結線図が使用される。結線図には、接続される機器の名称、機器間を結ぶ電線の種類、サイズ、心線数、回路記号、電線の心線記号とそれに対応する機器の端子記号が詳細に記入されている。機器の機能についての知識を知らなくても効率よく正確に結線ができるようになっているので、作業者はこの結線図に習熟しなければならない。(結線図については設計編2.2.9、図2.26参照のこと。)

(5.3) 心線さばき

機器内に導入され、線端処理された心線を整理して各心線端子を接続される機器側端子に順序よく導く作業が心線さばきである。心線さばきは、心線端子の結線作業を容易にし、振動による心線の断線や端子締付部のゆるみを防ぎ、保守点検を容易にする。(図1.77(1)、(2))に各種心線さばきの要領を示し、下記に留意事項について示す。

(a) 心線長の余裕

心線に引張荷重がかからないように、また多心線の場合は予備心線も含めて最遠距離の端子に接続できるように、心線の長さに余裕をもたせること。

(b) 心線の整理、固縛

心線は順序よく整理し、集合部分はビニールバンド、ひもなどでまとめて固縛し、結線端を接続順序に従って引き出す。電線導入孔から接続端子までの距離が大きい場合は、ランナーバー等で固縛するか、ダクトに入れるなどする。また心線被覆が機器の構造物で損傷しないようにする。

 

 

 

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