(c) 軸中心線の罫書き
首部及び尾部の台上の2点に、下げ振りで中心線を移し、明確にポンチを打つ。
(d) 首尾方向の罫書き
舵軸心のピアノ線に、検尺のA.Pラインを合わせ、軸心ピアノ線に平行に検尺を調整して、次の各項目を計測する。
1. 軸管尾面の削正代
2. 軸管首面の削正代
3. 主機関中心点(以後最後部シリンダ中心と呼ぶ)及び据付ボルト位置
この作業は、ピアノ線に合わせて直角定規を使用すると容易である。
軸中心線を主機関の幅に平行移動した線に、最後部シリンダ中心を基準に各据付ボルト穴を罫書き、据付ボルトが主機台のブラケット、リブ等船殻構造物に当らぬことを確認する。
4. 軸受台中心点
(e) 中間軸の削正代
前記据付位置に不具合の生じた場合に、中間軸の首面カップリングで調整することがある。
1.1.3 主機軸系の搭載据付
見透し作業終了後、すぐに軸管のボーリングと主機台仕上げ作業が始まる。
(1) 軸系工事
(a) 軸管ボーリング
見透し時に打ったポンチマークにより、ボーリングバーの中心が見透し中心と一致するよう、ボーリングバーのダレ量を考慮した心出しを行い、内面、尾面及び首面の加工を行う。なお、首面の加工は、面取り程度でも良いことが多い。
(b) ブッシュの加工及び取付け
1. 軸管ボーリング後、その内径をマイクロメータで計測し、これに0.01〜0.03mmの押込代を加えて加工をする。
2. 一方、スタンチューブには、取付け用のボルト孔を罫書き、面に垂直にタップを立てておく。
3. このタップ穴を利用して、ブッシュの圧入を行う。要領を図1.1.6に示す。図中、ガイドボルトは2本以上用意し、圧入中にブッシュが廻るのを防ぐ。また、ブッシュ及びスタンチューブの当り面はよく清掃し、減摩材を塗布しておく。