この装置の主な構成機器は以下のとおりである。
1. 翼角操縦スタンド
2. 管制弁駆動装置
3. 翼角発信器
4. 翼角指示器
5. 計器盤
次に作動の概略を述べる。
船橋の翼角操縦スタンドから管制弁駆動装置を作動するには、変節ハンドルを動かすことによって傘歯車を経て発令指針を翼角目盛板上の希望翼角に設定する。ハンドルの回転と同時に一対の平歯車を経てスリップリングが回転し、これまで断っていた交流電流はブラシを通って管制弁駆動装置の駆動電動機に流れ、駆動電動機が回転する。その回転はウォーム減速機、平歯車などで減速した上、出力軸のラックを動かして変節装置管制弁を制御する。
この出力軸の移動は他方の平歯車によりシンクロ制御発信器を回転させる。したがって、これと一対の翼角操縦スタンド内にあるシンクロ制御受信器は同期回転をする。この回転を数組の平歯車により減速してブラシをスリップリングに追従させ、翼の変節が設定角度に達した時、駆動電動機への電流を断ち、出力軸が停止して作動を完了する。
この方式では操作力を必要とせず精密な変節を行うことができ、また機械式、油圧式よりはるかに構造上の制限を受けない。
例として図2.6.1に電気式遠隔操縦装置の機構概要図を示す。