日本財団 図書館


(2) 発生蒸気圧力制御

排ガスエコノマイザの発生蒸気圧力の制御には、排ガスエコノマイザにダンパを設け、このダンパ開度を蒸気圧力により自動調節するか、又は遠隔操作によって排ガスの通過量を加減して制御する方法と、排ガスエコノマイザには排ガスの全量を通過させ、蒸気圧力が設定値以上になった場合は、蒸気管に装備した圧力調整弁により余剰発生蒸気を補助復水器に逃がして蒸気圧力を設定値に保つ方法とがある。一般には余剰発生蒸気処理方式を採用する場合が多い。

(3) 排ガスエコノマイザ用循環水ポンプの自動切替

運転中のポンプが過負荷あるいは停止した場合、自動的に予備ポンプが始動する装置であり、一般の水ポンプの自動切替と全く同様の方法が採用される。

 

2.6 軸系の自動化

2.6.1 概要

特殊プロペラの遠隔操縦、軸系軸受の潤滑油給油、オイルスタンチューブの潤滑方式などで自動化及び遠隔化されているものについて述べる。

特殊プロペラには、可変ピッチプロペラ(CPP)、シュナイダプロペラなどがあり、これを装備した船は船橋でプロペラを遠隔操作し操船することが多い。可変ピッチプロペラは、翼の変節により超微速運転ができるほか、逆転装置は不要となり、また船体停止中でも主機を止める必要がなく操船が容易であるなどの利点を持つ。シュナイダプロペラは、可変ピッチプロペラの持つ利点のほかに真横走行や一点旋回も可能である。

軸系軸受の給油やオイルスタンチューブの潤滑は、機械室から離れた場所だけに自動化及び遠隔監視する必要がある。

 

2.6.2 可変ピッチプロペラの遠隔操縦装置

プロペラの変節には一般に油圧による変節装置を用いており、変節には機関室内又は軸室に設置した変節装置の管制弁を遠隔位置から操作する。遠隔操縦方法としては、リンク機構による機械式、油圧伝達による油圧式、空気伝達による空気式、電気による電気式、又はそれらの組合わせによる方法などがある。

(1) 電気式によるCPPの遠隔操縦

電気式は、シンクロ制御機構の同期性を利用したもので、例えば、船橋の操縦スタンドから機関室又は軸室に設置してある変節装置の管制弁を制御して操縦する。翼の変節は、翼角発信器により翼角指示器に表示する。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION