シリンダ油系統は、シリンダ油貯蔵タンクから計量タンクを経て重力によって主機へ供給することが多い。過給機用潤滑油系統を独立系統とする場合には、専用の潤滑油ポンプで潤滑油をドレンタンクから吸入し、こし器、潤滑油冷却器を経て重カタンクヘ送り、重力によってそれぞれの過給機の軸受を潤滑したのちドレンタンクヘ落とす。
これらの潤滑油装置では通常次の操作を遠隔又は自動制御としている。
1. 潤滑油ポンプの遠隔発停
2. 潤滑油ポンプの自動切替
3. 潤滑油の温度制御
4. 潤滑油の清浄及びこし器の自動洗浄
5. 潤滑油タンクの液面表示
(1) 潤滑油ポンプの遠隔発停
ポンプの機側にある起動器のほかに、始動スイッチを制御室に設けて遠隔発停を行う。
(2) 潤滑油ポンプの自動切替
ポンプの自動切替は、運転中になんらかの異常や故障が発生した場合に予備ポンプヘ自動的に切替わる。切替方法には、圧力スイッチを使って吐出圧力が一定値以下に低下した場合にスイッチが作動してポンプを切替える方法と、過負荷電流などにより電源が切れた場合に無電圧リレーが作動してポンプを切替える方法とがある。
また、主機付の直結ポンプを持つ場合は、油圧や主機の回転数によって予備ポンプヘ切替えるようにする場合が多い。なお、直結ポンプの吐出側には圧力を一定にするための圧力調節弁を設ける。
これらの例を図2.3.6に示す。