第3章 板金工作法
3.1 一般
板金工事とは主として鋼板、型鋼、軽合金などによる艤装品の現図加工、組立などの内業作業及びその取付けを含むが、取付け作業に関しては別項目に述べることとし、本項では内業に限定することとする。
品目として主なるものは次のものがあげられる。
ボラード、フェアリーダ、ワイヤリール、マスト、ポスト、ブーム、アイブレート、リングブレート、梯子、手摺、ステップ、舷梯、ワーフラダ、マンホール、戸類、通風トランク、通風筒、ダビット、パイプカバー、天窓、天幕柱、煙突マーク
造船艤装工事は関連産業の発達、船価の合理化、労働力事情等によりかっての自給自足から専門工場に外注し社内における工事の主体を外業取付け工事におく方向にあるが外注工場の指導、特急製作、艤装品の改善等の目的のためにもその工作法を確立しておくことは必要である。
製作時の一般注意事項は次のとおりである。
(1) 加工前の現図展開法を工夫し、材料取りを適正にして材料の節約、組立を容易にすること。
(2) 治具を工夫し、人力作業をはぶくと共に製品の精度を高める。
(3) 熱間作業の工程を減らす。
(4) 溶接構造物は歪みを生じないよう順序、逆歪、抱束等を考慮する。
(5) 工程を厳守し、納期を厳守すること。
(6) 工程の流れをスムーズにするよう、工場内は材料置場、マーキン、切断、曲げ場、組立場、溶接場、歪取り、仕上げ、製品置場等を配置し、所要の棚等を適切に設ける必要がある。
3.2 基本作業
3.2.1 罫書
直線の罫書には一般に墨壷、墨差しを用い特に精度を要するものは白墨粉、ごふん等を塗り、罫書針、コンパスで線を罫書く。
罫書記号の一例を下図に示す。