日本財団 図書館


19.3 閉鎖装置

19.3.1 閉鎖装置の種類

閉鎖装置を大別すると、次のとおりである。

(1) 倉口蓋

木製倉口蓋、鋼製倉口蓋

(2) 小型倉口蓋

荷ならし用、検査用、人孔

(3) とびら

水密とびら、風雨密とびら、非水密とびら

 

19.3.2 諸開口の縁材の高さ

倉口、昇降口その他の甲板口の縁材の高さは、「鋼」357条に規定されている。

すなわち、甲板の種類及び位置によって区別し、縁材の甲板上の高さは、600、450、380、230(mm)の各種に規定されている。

また、「心」には、航行区域によって、その甲板口、昇降口についてそれぞれ、船の長さ30m以上と未満とに区分して、縁材の甲板上の高さを軽減規定している。詳しくは「心」を参照するとよい。

 

19.3.3 倉口蓋(カーゴハッチカバー)

貨物船では、倉口の大きい方が荷役には便利であるが、安全確保上は好ましくない。倉口は大きいほど閉鎖装置を厳重にしなければならないし、その取扱いを簡単化するように考慮しなければならない。

倉口蓋の要件については、「鋼」370条〜373条に詳しく規定している。

倉口蓋には、木製、鋼製のものがあり、また鋼製のものにはポンツーン型のもので、開閉装置に種々工夫したものがある。

(1) 木製倉口蓋

倉口縁材(ハッチコーミング)に、水圧と甲板貨物の重量に耐えるだけの強い倉口りよう(ハッチビーム)を置き、その上に倉口板(蓋、ハッチボード)を並べて、倉口覆布(ハッチターポリン)でおおい、その周辺を折り返して、倉口帯金(ハッチバッテン)帯金受(ハッチクリート)、くさび(ウエッジ)とで、しっかり緊締して水密にする。更に、倉口の周辺に配置されたリングボルトとラッシングロープとで堅くしばる。

木製の倉口蓋は、分解式であるから荷役の際に便利でもあるが、人力を要し、また完全に閉鎖できない不利がある。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION