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14.4 機動通風装置

14.4.1 扇風機、換気扇

扇風機は主として室内で空気を流動させるのに用い、換気扇は調理室、配膳室などから熱した空気や湯気を吸い出すのに用いる。いずれもプロペラ型通風機であって、軸流型の一種で、無圧式のものである。したがって低い圧力に抗して使うものである。

 

14.4.2 通風機

通風機には、遠心型のものと軸流型のものがある。居住区に対しては騒音の少ない遠心型が適し、機関室、貨物室等大風量を要する区画には軸流型が適している。いずれも通風機の性能をよく比較して適切なものを選ばなければならない。

(1) 遠心型通風機(多翼型)

空気を羽車の中心から取り入れ、羽の間に入った空気を遠心力で外方へ吹き出し、これを吐出口に送り出すものである。

遠心型のものは、羽車の羽の傾きによって3種類ある。(a)回転方向に前向きに曲っているもの、(b)半径方向に真すぐなもの、(c)後向きに曲っているものとあるが、(a)は一般にシロッコ通風機と呼ばれ、同一風量、風圧が最低の周速で得られる。小型で騒音も低いので最も普通に用いられる。風圧10〜120mmAqに適する。

羽が後向きに曲ったものをターボ通風機という。

(2) 軸流型通風機

(a)無圧式と(b)有圧式とに分類されるが、(a)は14.4.1に述べたものである。

普通軸流型通風機と称するものは、有圧式で所要の風圧を出しうるもので、トランクの途中に取付けて遠隔通風に使われる。

この型は効率が良く、小型であるから、舶用に使われることが多いが、周速が大きく騒音が高い。

風圧は1段で0〜100mmAqで多段に設計できる。

また、逆転させて使用できる利点がある。

 

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図14.8

 

 

 

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