14.5 暖冷房装置
14.5.1 暖房装置の種類
暖房は、居住区については古くから行われているが、船の大小により設備は種々な形式がある。
(1) 主として小型船に用いられるもの。
(a) 石炭ストーブ
(b) 石油ストーブ
(c) 重油ストーブ
(d) プロパンガス暖房機
これらには、直接火炎の熱を利用する方式と、ウエバストヒーターのように自動燃焼暖気方式のものとある。
(2) 主として中型船以上に用いられるもの。
(a) 補助缶による蒸気暖房
(b) 電気暖房
(c) 排気ガス暖房
14.5.2 冷房装置の種類
(1) パッケージ式
小型の船の居住区、作業室等では、小型の冷凍機、冷却コイル、送風機を一体に組んだ冷房器を各室におき、室内空気を循環冷却するか、外気を冷却して供給するか何れかの方法による簡単なものがある。
(2) サーモタンク式
冷凍機を室外において、通風機と組合わせたサーモタンク式のものがある。この場合1台で数室の冷房を行うことができる。
(3) 空気調和装置
大型の船では、暖房と組合わせて空気を予熱又は予冷して送風する空気調和装置がある。
14.6 空気調和装置(エアーコンディショナー)
14.6.1 一般
空気調和とは、空気の状態を使用目的に適合した状態に保つことで、普通居住区、作業室の環境すなわち暖冷房を対象とするが、広義にいえば冷蔵庫、冷蔵貨物倉、特殊貨物倉も含まれることになる。