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(3) 便所、洗面所

便所は、私室専用のものを設ける場合は別として、一般に共用のものを設ける。便所は、公室、私室から近い場所が便利であるが、排水管その他が複雑になるから、下部が機関室、倉庫などのように居住区でない場所がよい。客船では、等級別、男女別に分けて設ける。

便器は、水洗式の和式、洋式とし、フラッシュバルブを設ける。小便器も水洗式とする。

便所に付属して、手洗所を設けるが、便所の数の少ないときは、便所内に手洗器を設ける。

便所は、一般に狭いので、扉の開閉方向、吊手位置を気をつけなければならない。

洗面所は、一般に私室内に洗面器も設けるが、小型客船で共用のものを設ける場合には、便所の近くに設けて、鏡、洗面台、洗面用具台、その他必要なものを設ける。

(4) 浴室

高級の私室には、専用の洋式の浴槽と便所を設けるが、一般には共用浴室とし、便所、洗面所の近くに設ける。浴室には、シャワーを設けるが、小型船の場合は浴槽を設けないでシャワーだけの場合もある。

浴室は、通風をよくし、浴槽の取付け方向はなるべく船の前後方向とする。

(5) 調理室と食器室(配膳室)

調理室は、一般に上甲板上に設けて、採光、排水、通風に対し十分な設備を施し、特に熱気、臭気の排除につとめる。

調理室内のシンク(流し)は、特に排水とくず類で管がつまらないように工夫しなければならない。現在はステンレス製のものが大部分である。シンクには、海水、清水の給水とともに蒸気の供給ができるとよい。

レンヂの上部には、強力な排気装置を設け、また調理室の上には天窓が設けられるとよい。

食器室は、食堂やサロンが調理室と遠い場合に、隣接して設けなければならない。食器室には、食器の格納棚、流し、湯沸器、ヒーター、冷蔵庫、保温器等の設備を施す。

 

 

 

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