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テレモーターの構造は、操舵輪に連結する起動筒及び舵取機に連結する受動筒からなり、その間を管系で連絡している。起動筒は操舵輪の回転により、そのラムを作動させ所定の液圧を生じ、これを管系が伝導して受動筒の運動を起こす。これが舵取機の油圧ポンプを制御して、舵取機を作動させる。

 

6.4.5 油圧式伝導装置

液体を媒体とする伝導装置としては、水圧式と同様であるが、この装置は主として手動油圧操舵装置に用いられ、手動で油圧を起しこれを舵柄に連らなる操舵ラムに送るものである。

長さ50m以下の小型船に使われるもので、その系統を略図にすれば、次のとおりである。なお、逆止弁は舵に動く力で油圧ポンプが逆駆動されることを防ぐために設けてある。

 

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図6.4

 

6.5 舵取機

6.5.1 電動舵取機

舵取電動機の制御方式に、ワードレオナード可変速度装置によるものと、直接操舵輪に連絡した制御器によるものとの二種類がある。

ワードレオナード方式は、操舵電動機の電源用として別々に電動発電機をもち、この発電機の磁界を調整し、その電圧及び方向を制御する方式である。

直接制御方式は、操舵電動機に直接電源を供給し、電機子回路に装入した抵抗を変化して速度調整を行う。この方式は小型船舶に使用することがあるが、一般にはワードレオナード方式の予備操舵装置として用いられる。

なお、電動発電機を有するものは直接制御式に比べ適切な負荷特性を有すること、主回路を船橋まで導かぬため故障の原因となることが少なく、またコンパスに対する磁気の影響が少ない等の長所がある。

 

 

 

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