又は、
W=(2A+2×40c)×1.35…(2.4式)
ここに、
W=定格荷重(kg)
A=大錨の単重(kg)
C=錨鎖1連の重量(kg)
c=錨鎖1mの重量(kg)
(2) 巻上速度V
巻上速度は定格荷重で9m/minを標準としている。
2.3 錨鎖孔(ホーズパイプ Hawse pipe)
2.3.1 錨鎖孔の位置
錨鎖孔の位置は船首前方両舷、なるべく水線より高く設置するのが普通であるが、揚錨機、制鎖器、フェアリーダー等との位置を考慮して定める必要がある。
2.3.2 錨鎖孔の寸法
(1) 錨鎖孔の寸法は、錨鎖の直径を基準にした定め方がある(〔心〕便覧等参照)。いずれも錨鎖孔の下部の厚さは、錨鎖の摩擦によって摩耗するから、上部より肉厚にする(0.5〜0.3d)。
(2) 錨鎖孔の寸法や位置は、外板及び甲板の相互関係、形状その他によって変化するから、実物大の模型を造って、これに錨を引き込んで詳細な部分を決定することがある(10.5〜9.5d)。
2.4 制鎖器(チェンコンプレッサー Chain Compressor)と制鎖止(チェンストッパー Chain Stopper)
制鎖器は、揚錨機と錨鎖孔との中間に設けてあって、錨を格納した時の錨鎖の抑止装置であると同時に、投錨時錨鎖の誘導及び調整に使用する。制鎖器は概ね鋳鉄製で、その中央部に錨鎖がはまり込むような凹みをもっている。また錨鎖を抑止するかんぬきを有していて、大きな衝撃にも耐えるよう相当強固に設置してある。
制鎖止は、錨の保持又は錨鎖の一定位置保持のために用いるもので、特殊のスリップ、シャックル又はホーク等を用いることがあるが、一般には鋼索を使用する。