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(4) 条件設定・試行錯誤・最終決定

設計の順序として、まず条件を揃えてみる、それから何回か計算や略図を繰り返してみる。この場合他の区分との関連性・相関性を十分検討してみる必要がある。特に寸法については、他の区分との連繋についてチェックしておく必要がある。このような手順を経て最終決定をした場合、なるべくその決定条件・引用又は参考にしたものの出所を明確にし記録しておくとよい。

(5) 数値を正しく。

設計には数値が必要である。計算を正しく行い。位取りすなわち小数点を誤らぬよう、また不用な数字を残さないすなわち少数でも必要なものは残すが、不用なものは四捨五入するとか切り捨てるとかの処理を行う。また単位を正しく、必要なものは必ず記載する、法規をみる場合には、以上・以下・未満・超える等の意味を誤らず、正しく使い分けることが必要である。

(6) 安全係数(安全率)を正しく。

極めて多種の材料を取扱うので、それぞれの特性に応じ、その耐久性すなわち摩耗・疲労・腐食等を考えて、安全係数を定めるべきである。艤装設計の資料には、数値を範囲すなわち上限下限で示されたものが多いから、その判断を誤らぬようにしなければならない。

(7) 材料の知識→適正な船価を保つ→受注量をふやす

多種多様の材料を使用するので、その正しい特性を知るばかりでなく、つねに新しい材料が出現するから、これを適切に利用することが望ましい。ただし新しい材料に飛びつくのではなく、耐久性・経済性・工作性・耐火性等をよく検討した後に採用すべきである。また陸上構造物に用いる材料、部品等は十分調べた上用いるか、舶用化したものを用いるのがよい。

また、主官庁及び各船級協会の要求された材料を使用する事が大切であり、物によっては承認された材料と明記されているので承認材料一覧表を参照、選定しなければならない。

(8) 規準化、標準化

各船で、設計した事をとりまとめ、計算であれば規準あるいは手順書とし、金物図等であれば標準化し、次船における設計の能率向上を図るべきである。

標準化とは単なる流用ではなく実施してみて、不具合の解消とコスト面での向上等を目的に見直して常に改善を加える事が必要である。

 

 

 

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