次に、艤装設計を行うに当たっての心構えとして、極めて一般的な事項を掲げておくから、参考とされたい。
(1) 関係法規と船級協会規則をよく見ること。
海事法令集の外に、船舶検査心得すなわち通達集を見る習慣が必要である。通達は毎年数十件も出ているし、改正事項にも気をつけなければならない。
船の入級条件によっては、NK・LR・ABS・BV等を参照し、JISについても参照することが必要である。
(2) 参考書・ハンドブック・カタログ等の資料を見ること。
これらのものは、貴重な資料がたくさん載せられているからよい参考になる。
この指導書も次の各文献を参考として作成したものであるから、原本を参照して詳しい数値や記事を求めるとよい。なお、これらの文献を参考とし、一部引用させていただいたことを感謝する。
(a) 船舶工学便覧(日本造船学会編)
(b) 造船設計便覧(関西造船協会編)
(c) 船舶艤装(岩佐英介著)
(d) 艤装(立川春重著)
(e) 理論船舶工学(大串雅信著)
(f) 艤装設計(日本造船技術センター編)
(g) 機関電気艤装設計(日本造船技術センター編)
(h) 艤装設計(日本小型船舶工業会編)
(i) 騒音制御工学(伊藤毅著)
(j) 船舶検査心得(運輸省)
(k) 海事法令集(海文堂)
(l) JIS規格集(日本工業規格協会)
(m) 鋼船構造規則(日本海事協会)
(3) データを集める習慣。
造船の計算公式には、理論式ばかりでなく実験式や経験式が多い。これは年長のデータの集積から解析して得たものである。設計は自他の実績の上に立って行われるものである。
そこで自分は自分なりにデータを集積しておくこと、またそれを整理しておくことが必要である。殊に小さい船の設計にはまだ問題点がたくさん残っているから、今後開発される問題がまだまだ多いことを念頭におくべきである。