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第1編 総論

 

第1章 艤装設計

 

1.1 艤装設計一般

1.1.1 艤装の役割

艤装とは船殻以外のすべての部分で、船体艤装、機関艤装、電気艤装の総称である。

艤装は、(1)船に行動性と作業性を与え、(2)船員・旅客には住居の場となり、(3)貨物の格納の場所となり、(4)長期間その機能を維持するという大切な役割をもっている。従って、船殻とともにその安全性が大切であって、船舶安全法その他の法規によって定められた条件に従い堪航性と人命の安全を保持するに必要なる施設をしなければならない。

 

1.1.2 艤装設計とは

船の大きさ・用途・航行区域等に応じて各種設備の方式・力量・寸法等を定め、これを図面に書き示すことを艤装設計という。手順としては、艤装区分ごとにそれぞれの要求に合うように、適当と考えられる方式・力量・寸法等を検討して決定する。しかし、これらは、それぞれ関連性のあるものが多いから、単独に決定してしまうことはできない。すなわち船の行動性・作業性の人の行動性・作業性とを同時に考慮するとともに、各種の関連法規を与えられた条件、この条件は最低又は最小限のものが与えられているから、それらを考慮しなければならない。また重量の軽減、価格の低減、工作の簡易等も考え、また電力や機関の馬力等がなるべく経済的・合理的になるよう検討する必要がある。このためには、設計は何回か計算のやり直しを行うことになる。(このように幾度か試みを重ねて修正しながら最終案を求める方法を試行錯誤という。)また、これらの設備は互に関係あるものが多いから、現場の取付位置・工作順序・時期等を図面の上で考慮しておかなければならない。現実には、船殻工事との関係を十分考慮しなければならず、また、ブロック方式の建造の場合は、先行艤装することが極めて有利であって、このためには特殊な計画と図法も必要である。

 

1.1.3 艤装設計についての心構え

艤装は、船殻との関連事項及び船体、機関、電気との相互関連が多いので、この間のバランスを十分考慮して、小型船はそれらしく実用的な簡潔な艤装とし、特に重量、寸法等について注意を払わなければならない。

また、小型船はその建造所の能力に応じて艤装方式を考え、設計図もそれに応じて装置別、区画別の両者を適切に使い分けなければならない。

 

 

 

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