キャブタイヤーケーブルは細い方が作業性が良いし、手溶接の場合、通常アーク・タイム率は50%以下であるから、表の「50%負荷」の項目を参考にすればよい。自動溶接の場合には「連続負荷」の項目を見なければならない。
3.2 溶接棒
我が国で使用されている代表的な溶接棒は、イルミナイト系、ライムチタニア系、低水素系、鉄粉酸化鉄系の4種類である。D4311、高セルローズ系溶接棒は、欧米では盛んに使われており、機械的性質もイルミナイト系に比べて遜色ないが、この棒は、湿気に対して非常に敏感であるため、湿気の多い我が国では敬遠されている。D4313、D4324などのチタン系溶接棒は、スラグの流動性が良く、ビード外観も非常に美麗であるが、割れ感受性が強いため、種々の力が働く船体にはあまり使用されないが、使用されても手直し程度のみが普通である。
例題12) 定格電流300Aの溶接機を実際に200Aで使う場合、連続溶接してもよいか。
(ただし、定格使用率は50%とする。)
答)許容使用率は次式により計算できる。
すなわち、112%まで使用しても差し支えないことを意味しているから、連続使用してよい。