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第3章 溶接機と溶接棒

 

3.1 溶接機の構造

現在、日本で最も多く使用されている溶接機は交流アーク溶接機である。手溶接機は、図に示すような定電流垂下特性を持たせてある。

溶接するとき、電流と電圧が図のA B Cの曲線をたどって変化するように溶接機は造られており、従って、アークを発生させないで、電流がゼロのときには、電圧が80Vを示し、溶接棒が母材に接触したときにはCの電流が流れるようになっている。(家庭の変圧器の場合は無限の大電流が流れる。)アーク長は短い方が安定するが、その電圧は25〜30Vである。即ち、B点付近で安定する。アーク長は、溶接作業者によって多小の差があるが、これに対応して電圧も変化する。今、溶接作業者の手の動きによって電圧がBからDまで動いたとする、この時の電圧変化はV1、これに対して電流の変化はA1となり、図からわかるように、V1の大きな変化に対してA1の微小変化となるよう溶接機は造られているのである。(溶接中に電流が変化すると、種々の不都合を生じ欠陥が多く発生する。)

溶接棒の棒径によって、あるいは姿勢によって電流値を変えなければならないが、この電流調整には次の4つの方法があるが、現在最も多く使用されているのは、可動鉄心型である。

 

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a) 可動鉄心型

b) 可動線輪型

c) 可飽和リアクトル型

d) タップ切替型

例題10) 電撃防止器について説明せよ。

答)アーク溶接の利用が進むにつれて、溶接作業に伴う感電事故も増加の傾向を示していたが、最近この電撃防止器の設置と安全ホルダーの使用により、最近では皆無に近い状態になりつつある。電撃防止に関するJIS規格(JISC9311-1963)では、アーク起動に際して電磁接触器が働くに要する時間は、0.06秒以内と規定され、次に溶接が終了した後、電磁接触器が開くまでの時間は1.5秒以内と規定されている。

通常電撃防止器の取り付けられた溶接機は、無負荷電圧は25Vを指しているので、少し、身体が触れた程度では大丈夫である。

溶接終了後、約1.5秒間は電磁接触器が開かないのは、仮り付け溶接や、アークを切りながら作業を進める場合に不都合が起こるためである。

 

 

 

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