ゆいの会は「地域たすけあい」をスローガンに掲げておられるだけに、活動内容が多彩ですね。
そうです。在宅福祉サービスは、高齢者世帯の家事援助、配食、移送サービスから乳幼児のお世話、障害者向けのパソコン教室、陶芸教室、さまざまな学習会、バザーなど、市民の生活を支えることなら何でもやります。四月からは介護保険の事業として、居宅介護支援事業、訪問介護事業、ケアプランの作成もきちんとやっています。「暮らしのお手伝いなら、何でもやります」というのが、会を旗揚げしたもともとの趣旨なのです。
女性は家事のプロだから、家事に関することだったら、すべてこなさなければならないと思います。それも肩に力を入れてやるのではなく、利用者の求めに応じて、できることから地道に実践していくことが大事です。できないことも多々ありますけど、とにかくすべてのニーズを受け入れよう、その上で皆で知恵を出し合い、工夫しようという精神で。
四〇〇人の会員組織に
会員制の有償互助組織になっているわけですね。もう少し詳しく説明してもらえますか。
会員の種類は五つに分かれます。手助けしてほしい人は一時間当たり八〇〇円の料金で利用会員になり、それを支える協力会員は男女、年齢を問わず活動謝礼金として六〇〇円、ほかに陶芸・パソコンを学ぶふれあい会員、特養ホームで介護を手伝う施設ボランティア会員。それに資金的な援助をしてもらう賛助会員などで構成しています。
利用会員は現在九九人で、乳幼児から九〇歳のお年寄りまで。協力会員は九〇人で、ほとんど五〇代前半の女性。なかには七八歳のボランティアでヘルパーの資格をとった意欲あふれる人もいます。最近、若い人たちが参加してくれるので、うれしいですね。ヘルパーの資格を持つ人はどんどん増えて、四〇人弱になりました。全体の会員数は四〇〇人に達しました。
ここまで活動内容を広げるには、さまざまな苦労があったでしょう。
一九九一年の五月に任意団体として発足したのですが、初めは「ボランティアとは何か」という学習会から始まったのです。正直言って、手探り状態。最初の仕事のことはよく覚えています。五〇歳前の人が手術後の在宅療養に手助けを依頼してきたのです。ちょうどゴールドプランのスタートした頃で、六五歳以下の人は社協では対応できないから、そちらでやってくれと。仲間と共に食事、洗濯、掃除をやりました。これが第一号。走りながらの会のルール作りを考える日々でした。