その結果、都市部と中山間地のサービス格差が比較的小さい県といわれている。
県の高齢福祉課介護保険支援室長の牧野敏孝さんは「越前町、名田庄村に限らず、介護保険料の額はこれまでその自治体が行ってきた介護のかたちを反映したものになっています」と保険料が示す裏の姿を改めて指摘する。「県としては、介護サービスを確実に提供すること、健康づくりを通して要介護にならないようにすること、この二点が自治体が取り組むべき“車の両輪”だと考えています」と話す。
もちろん、越前町と名田圧村を比べて、どちらが良い悪いと一概にはいえない。越前町では施設介護が進み、名田庄村は在宅ケアを中心にやってさたその延長線上に介護保険が始まったということだ。ほぼ同じ高齢化率の過疎の両自治体がまったく違う福祉に取り組んできた。それが地域性であり、要は住民がどのような福祉を、つまり今後はいくらの保険料でどこまでのサービスを求めるかの選択によるのである。