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人口規模が小さく、国保の被保険者数も少ない過疎の村で、住民が安心して老い、最期を迎えることは医療の力だけで実現できるものではない。そう考えた中村医師は、村に「保健・医療・福祉の連携と総合的なサービスについて考えませんか」と持ちかけた。そして、言い出しっぺの中村医師が会長になって「健康と福祉を考える会」が誕生した。

村の職員、保健婦、ヘルパーなどに住民も加わって会の活動を進めるうちに、医療・保健・福祉の連携を実現できる施設があればいいと考えるようになり、一九九三年から総合施設の建設計画が始まった。そして、一九九九年四月、「あっとほ〜む いきいき館」がオープン、ここに高齢者保健福祉支援センター、名田庄診療所、名田庄村社会福祉協議会、民間の歯科診療所が入った。

「あっとほ〜む いきいき館」ではデイサービス、自立高齢者を対象とする生きがいデイサービスが行われているが、「ここは高齢者のためだけの施設ではないんです。誰でも足を運んで、リラックスできる場として利用してほしい」と話すのは、いきいき館の運営に携わる前田茂善さんだ。料理講習会ができるキッチンやトレーニングジムも備わっている。めざすは若い時からの健康づくりだ。

 

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いきいき館の前田茂喜さんと名田庄診療所長中村伸一さん。

 

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保険料は地域の介護のかたちを反映する

 

福井県は施設整備面ばかりでなく、在宅介護サービスにおいても県内三五の市町村すべてにホームヘルプ、デイサービス、ケアマネジメントを入れ、人口規模の小さな町村でも必要なサービスをすべて提供できる体制を整えている。

 

 

 

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