とにかく、従来のお仕着せのメニューではなく、利用者自身がやりたいことを自発的にやるような、シルバーカルチャー教室を目指そうと話し合っているんですよ」
このデイサービスに限らず、同団体では、たとえば、税務関係の仕事に就いていた人が会計監査を受け持ったり、パソコンに強い人が介護保険に付随する煩雑な事務処理を担当したりと、さまざまな人材がさまざまな場面で、これまでの人生経験の中で培ってきた能力を遺憾なく発揮しているという。「特に最近は、リタイア組の男性会員の活躍が目立ってきましたね。地域市民の眠っている能力を引き出すことができれば、どんなニーズにも応えていけるように思います」
NPO法人格の取得が大きなステップに
「たすけあいあさひ」の足かけ九年の活動を振り返ると、ここ一、二年の活動の幅の広がりは、とりわけ目覚ましいように思える。その点を柳原さんに伺うと、「それはNPO法人格を取ったことが大きい」と話す。
「任意団体だと、何か新たな事業を始めたいと思っても、それがすべて代表一人の肩にかかってしまう。たとえば、ヘルパーの事故があったとしても、団体として賠償責任等を持つ体制が取れないし、サービスの継続性からいっても、代表が活動できなくなった場合には団体としての活動も危うくなる可能性もある。