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心と教育 学校の新しいかたち

家庭部と地域の協力

山形県立米沢工業高等学校

(取材・文/有馬正史)

 

「車イスに乗って楽しかったですが、これが毎日いつも続くと思うと大変だと思いました。それも手や足が不自由だともっと大変なのではないでしようか。私は、全然お手伝いができなかったような気がします。それよりもっとおじゃまになったのではないかと心配です。園内のトイレや訓練室などの設備、自分でできるようになる訓練(リハビリ?)、とても大切なことだし、私は希望に向かって社会復帰を一日でも早くしてほしいと思います。また今度、訪問させていただけたら、今度はもっとお役に立ちたいです」

この作文は、米沢工業高校家庭部の生徒が、梓園(重度身体障害者施設)を訪問した時の感想文(一部抜粋)である。家庭部顧問の我妻典子先生(家庭科教諭)は、「家庭部は、99年にできたばかりで、まだ、愛好会の位置付けなんです。県内最古の歴史ある工業高校なので、男子の入学が多いのですが、近年マテリアル系(工業化学、染織デザイン)に、女子も多く入って来るようになり、在校生911名のうち、女子生徒が231名。そこで、生徒の希望を踏まえて、家庭部を作ったわけです。家庭部員は、女子のみ16名です。今年度(2000年度)の6月から、地域活動に取り組むようになりました。自己中心的な子供たちが増えてきている中で、これからは、同じ地球に生まれた人間として、何かできないかを考えてほしい。ボランティア体験学習をして、自分の将来とクロスして考えられる生徒も出てきています」と話してくれた。

ボランティア体験学習のきっかけは、山形県内の高校の家庭部会で、NPO法人ほほえみサービス米沢の専務理事柴田信子さんの講演を聞いたことだという。高校から車で5分程のところにほほえみサービスがあることも知って、早速、連絡を取ったとのこと。柴田さんにも話を伺った。

 

 

 

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