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巻頭言 NO.31

生活支援の仕組み

さわやか福祉財団理事長 堀田力

 

人は生きていく上で、多くの人々の支援を受ける。生まれてまず世話になるのは親であるし(家族)、食べ物は農家が作ってくれたものを市場が提供してくれる(市場)。市場がなくて食べ物から家まで自分で作っていたのでは、原始時代の生活しかできない。水も小学校も行政が提供してくれるし(行政)、都市部では小学校への登下校をボランティアが守ってくれる(NPO・ボランティア)。近所の家で遊ばせてもらうこともあるだろう(近隣の人)。

このように、人は、生まれてから死ぬまで数知れない人々の支援を受けるのであるが、この関係を大ざっぱな図にしたのが、生活支援サービス鳥瞰図(ちょうかんず)(生活支援サービス鳥瞰図参照)である。サービスの特徴を示すために、横軸は、サービスをする人とされる人との人間関係について、関係の濃さの順に左から右へと並べた。縦軸には、サービス内容がより専門的で、より型の定まっているものの順に、上から下へと並べた。

 

(注) 個々の労働行為を取り上げると、定型的な行為は専門性が低いが、提供されるサービス全体をとれば、専門性と定型性は、比例する場合が多い。

 

 

 

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