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(追伸)いつも固定観念にとらわれないさまざまな提案を興味深く拝見して、勉強になっています。NPOをめぐる情報も理念的なことから実務まで、各方面で役立っています。「国際化」も大切なキーワードと考えています。

 

ご意見、感謝します。

私は『個の自立という基本的価値観』確立へと向かう世界の傾向とその意義について述べましたが、それにも異論がありますか? 私は、あなたの意見に異議はありません。

 

公的介護保険「契約社会」について

諸岡敏次さん 54歳 三重県

元来、私たち日本人は「措置」制度、つまりお上から施しを受けることを福祉であると考えてきました。しかし、介護保険制度が始まり、「措置」から「契約」に変わります。

この事は本当に喜ぶべき事でしょうか。不安はありませんか? なぜなら日本人は契約には不慣れな国民だからです。新聞、テレビに「詐欺」「背任」「違法」行為の記事が載らない日はありません。経済社会の中での行為が多いとはいえ福祉の世界でも無縁とはいえないと思います。

福祉の世界の契約は金銭第一の契約であってはいけません。納得のいく契約には介護の現場で十分な補償と福祉型のオンブズマン制度が必要でしょう。検証なくして将来の“制度の発展”は望めません。介助や介護を伴う契約とは「心の契り」であり「ハートとハートの約束」がなければ成立しません。介護する人、される人、互いに信頼する心、される心がなければ不幸な結果を招く恐れがあります。

ともかく、介護保険は4月にスタートします。今日からでも遅くはありません。決して臆することなく、しかしじっくりと注視を怠らず、「契約社会」の本質を理解する努力が将来の福祉社会の発展と希望をもたらしてくれるでしょう。

 

他人やお上に任せっぱなしでは幸せになれません。

 

 

 

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