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コミュニケーションは取れるのに、風呂にはリフトも付いているし、今まで65歳の姉たちが交代で入れていたが、腰痛のために週に1回だけとの依頼。これにも応えられない。

わが家のホームステイのフランスの子供の父親は大学教授で車イス生活。母親は大学より2分の1、州より2分の1の給料をもらって父親のアシスタントをしています。この現状を見ても、日本のボランティアは自立と介護がなぜ2本立てに切り分けられるのか、疑問を持ちます。自分の家のケースとして考えてみてください。自立ではないので介護だから私は知りませんといえるのでしょうか。疑問だらけの現状に立腹するのは私だけでしょうか。

 

プロの介護とボランティアあるいは家族の生活援助・心の交流が両輪として提供されて初めて、心身共に安心して暮らせることになります。

 

記録映画「えんとこ」をご覧になりましたか?

桐規子さん 55歳 千葉県

昨年8月の初め、寝たきりながらボランティアに支えてもらい自立生活をしている遠藤滋さん(52)の日常を記録にした映画「えんとこ」のことを親友から知らされ、下北沢でやっていることがわかりました。車イス生活15年目で初めて電車を利用したばかりだった私には、下北沢(東京)への旅は冒険でしたが、福祉ボランティアグループ「ふれあいネットまつど」のお仲間に付き添っていただけることになり、思い切って出かけました。どの駅でも駅員さんたちが実に親切に助けてくださり、初めの心配はどこへやら、私はほとんどVIPの気分でした。

遠藤さんの生きる姿勢はあっぱれでした。「この映画をぜひ松戸の人々にも…」とふれあいネットまつどのみなさんに自主上映を提案したところ、数名の方が所沢と竹の塚へ観に行ってくださり、「遠藤さんの言う、人と人が互いに命を生かし合う『本当の人のあり方』は、私たちのめざすものそのもの」ということで自主上映が決まり、この小さなグループの必死の準備が進みました。1月15日(土)、いよいよ松戸市民劇場で「えんとこ」が上映されました。

 

 

 

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