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「食」と並ぶもう一つの柱は「健康」、日清スポーツ振興財団が活躍している。1983年に日清食品の創業者安藤百福氏により設立されて以来活発な活動を続けてきたが、平成の時代に入ると内容は一段と充実、グループ社員全体の支援も加わり、同社の社会貢献活動の核として位置付けられるようになった。自然との共生、冒険をテーマとするアウトドアスポーツに力を入れるようになり、学校隔週週休2日制がスタートした93年には、全国8会場で6月から11月にかけての第2土曜・日曜日を利用し小学生1000名を集めてキャンプやスキー教室などを体験する「日本列島縦断トム・ソーヤスクール」を開催、年々盛大となり98年度には全国17会場2800名の小学生が参加するまでに発展した。阪神大地震の救援活動の中で大きな役割を果たした50万食以上の即席めん。障害者施設や学園祭など即席めんが提供されている例は限りない。最後に高齢者福祉について尋ねた。「高齢者施設に草の根的に即席めんを提供している以外あまり大きな活動はしていません、これからですね」と恐縮された。大衆に広く愛されている即席めん、同社の社会貢献活動も今後は地域の中でより大きな広がりを見せていくことだろう。

(取材・文/三上彬)

 

 

 

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