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堀田 介護の専門職がどこまで携わればいいかというと、それは身体を触る点だと考えているんです。身体介護についてはプロとしてきちんと勉強して専門家にやってもらう。一方、ボランティアは散歩、買物や付き添いなどの生活援助を通して心の交流を図っていく。その中である程度必要な知識は付けてもらう。両者が両輪となって、いかにかみ合っていくかがとても大事なことなんですね。

京極 そうですね。それとボランティアの活動が活発になれば、ボランティア責任論というものも整理しないといけない時代になるのでしょう。たとえばボランティアで預かっていた子供が事故で水死するとボランティアだから責任がない、頼んだ親がいけない、行政も支援体制を取っていなかったとかそれぞれ主張が出てくる。三方一両損ではないけれどもボランティアも自己責任があるし、親も子供を預けた以上責任がある。行政もボランティア保険などでしっかりバックアップする。介護でもボランティアとして三級ヘルパーぐらい取って、それでもがんばったけれど予想不能な事態だったのでと割り切らざるを得ない時代が来るような気もします。専門家が必ずしもいいとは限らないしボランティアのほうが気配りがあることもある。なかなかむずかしい整理ではありますが。

堀田 そうですね。それとこれからの潮流で考えますと、福祉でも利用者本位の確立が非常に大切です。そのための条件としてまずは選択可能であること。現状は人口密集地は在宅サービスは整っているけれど施設の数は足りない。地方はその逆です。将来のあるべき姿としてどうお考えですか?

京極 むずかしいですが、流れとしては施設が余る時代が来るんじゃないでしょうか。

 

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