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でも今後五〇年では、一六%から三二%とさらに倍にもなる。今後は市民の参加性が非常に高まっていくでしょうね。かつては市民参加といえば、ただサービスは参加することだったのが最近は計画まで参加しようという参画ですね。友人の国際ジャーナリスト、ラズロー氏が言うには、さらにこれからは参決だと。参加して計画して決定する、そんな時代が実際にやって来ると私も思います。

堀田 地方分権が進んでいますし、各地でそうした仕組みを取らざるを得ない時代になってきたということですね。今回の介護保険はそのいいきっかけと見ています。

京極 そうですね。それと介護保険導入によって、市町村の再構築が進むんじゃないですか。住民として自分たちの介護サービスや公益サービスを自己完結できないようじゃ自治体とはいえないわけですよ。市町村長のための自治になって住民のことを考えないとそうなってしまう。介護保険を協同でやる動きとも連動して、適正規模にまとまっていくのがいいだろうと思います。

 

さらなる課題は?

プロとボランティアとの連携の模索

 

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堀田 ところで、日本ではこれまで介護といえば家族介護、特に女性、お嫁さんが介護することが圧倒的でした。でも核家族化がこれだけ進んで高齢者世帯も増え、女性の社会参加も進んできて介護の専門性の確立という新しい流れができました。次の課題は何だとお考えですか?

京極 ひとつ挙げるとすれば痴呆性の介護でしょうね。これは二一世紀最大の挑戦的課題です。医学的には投薬して落ち着かせることはできるけれども、そうではなくてケアの問題です。まだはっきりと見えてないですから。それと専門集団ができれば、今度はその専門家と他の連携をどうするかが次の問題ですね。特にボランティアのかかわりは非常に大事ですよ。全部専門家に任せるのはどう考えても無理なんですから。

 

 

 

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