堀田 今回、介護保険の運営が市町村に委ねられたことで、今後相当大きな変革が起きてくると私は予想しております。京極先生もまさに『介護革命』というタイトルのご著書で変革の流れを指摘されておられますね。
京極 『脳内革命』を真似しただろうとか言われて、とっても心外なんですが(笑)、お話のとおり、これからは介護革命がどんどん進みますよ。
堀田 同感です。
京極 介護理念と介護サービスの提供システムと、そして介護サービスの質の変革。それと、介護保険では市町村が大事だと非常に強調しているので、大きな意識革命にもつながっていくでしょう。先の介護保険の見直しではかなり保守の強い地盤でも、自分たちのことは自分たちでやると怒っていたでしょう。
堀田 介護保険の準備の間に自分たちで負担とサービスを決められるという認識が行政にも住民にも急激に広がりましたね。それで意識が変わったことは確かです。住民も隣の市町村とも比較しながら見るようになった。スタートすれば生活に直結しているわけですから、もっとはっきりしてきますよ。権利意識の確立や家族介護の新しいあり方にもつながるし、非常に自立した市民になっていく大きなきっかけになると期待もしているんです。
京極 基礎構造改革といわれるように、今はまさに新しい社会福祉への転換期ですからね。戦後五〇年で高齢化率は五%から一六%。