3] 退職時の年齢階層
退職時における年齢階層別の退戦者数は、「20歳以上30歳未満」が全体の退職者数511人のうち280人(54.8%)と最も多く、「20歳未満」の階層を含めると、退職者の55.4%が「30歳未満」である。また、「50歳以上」も90人(17.6%)いるのが注目される。
これを施設の種類別にみると、「養護老人ホーム」では「50歳以上」が全体の退職者数11人のうち7人(63.6%)と最も多く、「(重度)身体障害者授産施設」も「50歳以上」が19人のうち8人(42.1%)と多いことが注目される。施設設立後年数別では設立時期が早いほど「50歳以上」の退職者の割合が高くなっているのが注目される。(第20表参照)
1]から3]を通してみると、直接処遇職員の退職理由として「転職」、「結婚」、「出産」といったものが多いことは、退職時の勤続年数は短く、年齢も若いということからも頷けるが、一方で、「定年」による退職者が多いことについては、「50歳以上」の退職者の割合も比較的高いのに対して、勤続年数の長い者はそれほど多くないことから、俄かには断言できないが、福祉関係施設での直接処遇職員の定着性が低く、一施設に長期勤続する者が少ないのではないかと推測される。より良い労働条件を求めてか、また、最近における若年労働力層の企業における帰属意識の低下傾向などと関連してか、「勤続年数」の短い若年者層の退職が多い傾向は極めて気になるところである。